近年、「推し活」という言葉がすっかり浸透し、アニメやアイドル、ドラマのファンたちが“聖地巡礼”と呼ばれる旅を楽しむ光景が当たり前になっています。こうしたファンの移動が、実は都市計画や地域経済に多大な影響を与えていることをご存知でしょうか?
この記事では、「推し活」が都市や地域にどのような影響を与えているのか、また都市計画の現場ではどんな対応が行われているのかを探ります。
🎯そもそも「聖地巡礼」とは?
ファンによる“聖地訪問”
聖地巡礼とは、アニメや映画、ドラマなどの舞台となった場所を実際に訪れる行動のこと。推しキャラのゆかりの地に足を運び、写真を撮ったり、現地グルメを楽しんだりするファンが増加中です。
代表的な例としては:
- 埼玉県秩父市:「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」


- 富山県南砺市:「true tears」


- 東京都秋葉原:アイドル・アニメカルチャーの発信地
🧭地域にもたらすポジティブな影響
経済効果は観光地並み!
聖地巡礼によって、地域に観光客が急増するケースも少なくありません。宿泊施設、飲食店、お土産屋が潤い、経済活性化に貢献します。
事例:香川県・観音寺市
アニメ「結城友奈は勇者である」の聖地として知られ、ファンイベント時には全国から1万人以上が訪れた実績もあります。
地元住民との交流も活発に
ファンとの交流によって、地域に新たなコミュニティが生まれることも。地元の方が案内役を買って出たり、ファン向けの手作りマップを配布したりと、交流のきっかけが生まれやすいのも特徴です。
🏗️都市計画への影響と対応
一時的な混雑問題
突然の観光ブームにより、交通渋滞やゴミ問題が発生することもあります。聖地となった場所が住宅地の場合、住民とのトラブルに発展するケースも。
インフラ整備とルート設計
都市計画担当者の中には、ファンの移動動線を考慮し、周辺の道路整備や案内板の設置を進めるケースもあります。また、観光ルートを開発し、地域全体を巡ってもらうよう工夫する自治体も増えています。
事例:熊本県・人吉市
「夏目友人帳」の聖地として知られる人吉市では、駅からの巡礼マップや周遊バスの導入などで、来訪者の満足度向上を図っています。


🛍️“推し”を活かした街づくりの可能性
ファンの消費力は侮れない!
グッズ購入、飲食、交通費など、ファンの消費行動は地域経済にとって非常に大きなインパクトを持ちます。実際に「オリジナルグッズ」や「コラボメニュー」を提供することで、地域ブランドの価値も高まりつつあります。
若年層誘致と定住促進
地方創生の文脈で、「推し活」に注目する自治体も増えています。若年層が聖地に惹かれて移住や二拠点生活を始めるケースもあり、人口減少対策としての可能性が広がっています。
⚠️課題と今後の展望
課題:持続可能性とマナー問題
一時的な盛り上がりに終わらせず、継続的な地域活性化につなげるには、ファンとの協力関係とルール整備が必要です。また、訪問マナーの啓発も今後の大きな課題です。
展望:推し活×地域の共創へ
聖地巡礼が一過性のブームで終わらず、「推し」と「地域」が一緒に成長していける関係性を築くことが、都市計画における重要テーマとなりつつあります。
📝まとめ
推し活の聖地巡礼は、ただのファン活動ではなく、都市計画や地域経済にまで影響を与える大きなムーブメントです。うまく地域と連携することで、街の魅力を再発見し、新たな観光資源として発展させることも可能です。
推しを追いかける旅が、地域を元気にする。そんな未来は、すでに始まっています。