ライブ撮影、特に推しのパフォーマンスを美しく捉えることは、多くのファンにとって重要な技術です。
暗い会場でも綺麗に撮影するためには、適切なカメラ設定が不可欠です。

この記事では、ライブ撮影のプロが実践している技術を詳しく解説します。

1. カメラの基本設定

1.1 撮影モード

推奨設定:マニュアルモード(M)

マニュアルモードを使用することで、会場の照明変化に左右されず、一貫した露出を維持できます。

1.2 ISO感度

推奨設定:ISO 3200を上限にオート

暗い会場では高いISO感度が必要ですが、ノイズを抑えるために上限を設定します。
最新のカメラであれば、ISO 6400まで許容できる場合もあります。

1.3 シャッタースピード

推奨設定:1/640〜1/1000秒

動きの速いパフォーマンスをブレずに捉えるためには、速いシャッタースピードが必要です。
ただし、会場の明るさによって調整が必要な場合もあります。

1.4 絞り値(F値)

推奨設定:開放(最も小さい値)

暗い環境下では、できるだけ多くの光を取り込むために、レンズの絞りを最大限に開放します。

2. フォーカス設定

2.1 フォーカスモード

推奨設定:AF-C(コンティニュアスAF)

動き続ける被写体に対して、常にピントを合わせ続けるモードを選択します。

2.2 フォーカスエリア

推奨設定:顔認識+追尾AF

多くの最新カメラには、顔や目を認識してフォーカスを合わせる機能があります。
これを活用することで、推しの表情を鮮明に捉えられます。

3. ホワイトバランス

推奨設定:オートまたは4000K固定

ライブ会場の照明は常に変化するため、オートホワイトバランスが便利です。
ただし、一貫した色合いを求める場合は、4000K前後に固定するのも一つの手法です。

4. 記録形式

推奨設定:RAW(またはRAW+JPEG)

後処理の自由度を確保するために、RAW形式での撮影をおすすめします。
容量を節約したい場合は、圧縮RAW形式を選択するのも良いでしょう。

5. 露出補正

推奨設定:-0.3〜-0.7EV

ライブ会場の照明は明暗の差が激しいため、やや露出をマイナス側に設定することで、ハイライト部分の飛びを防ぎます。

6. 連写設定

推奨設定:高速連写

瞬間的な表情や動きを捉えるために、高速連写設定を活用します。
ただし、撮影後の選別作業が増えることに注意が必要です。

7. 撮影テクニック

7.1 手ブレ対策

  • カメラを両手でしっかり持つ
  • 肘を体につけて安定させる
  • 可能であれば三脚や一脚を使用する

7.2 構図の工夫

  • ステージ全体を捉えるワイドショットと、推しにフォーカスしたクローズアップショットを織り交ぜる
  • 動きの予測を立てて、パフォーマンスの瞬間を逃さない

7.3 バックステージ光への対応

ステージ後方からの強い光が入る場合は、スポット測光モードを使用して推しの顔に適正露出を合わせます。

8. 後処理のポイント

  1. RAW現像ソフトを使用して、露出やホワイトバランスを微調整
  2. ノイズリダクションを適度に適用し、シャープネスを調整
  3. 必要に応じてトリミングを行い、構図を整える

まとめ

ライブ撮影、特に暗い会場での撮影は挑戦的ですが、適切な設定と技術を身につけることで、推しの魅力を最大限に引き出す写真を撮ることができます。
この記事で紹介した設定やテクニックを基本として、実際の撮影経験を重ねながら、自分なりのベストな設定を見つけていってください。

また、会場のルールを守り、他のファンの視界を妨げないよう配慮することも重要です。
マナーを守りながら、推しの素晴らしいパフォーマンスを美しく記録し、素敵な思い出を作りましょう。